■ マンションの家賃は、大津町のシングル向きで+36.7%と、菊陽町と大津町ではシングル向き・ファミリー向きともに2桁の上昇率となった。両町の平均家賃は熊本市より高くなった。
■ アパートの家賃上昇率は、合志市を含む工場周辺エリア全てで熊本市を上回る。
■ 工場周辺エリアの家賃上昇率は、マンション・アパートともに、シングル向きがファミリー向きを上回る。
【解説】アットホームラボ株式会社 執行役員 データマーケティング部 部長 磐前淳子
工場周辺エリアの家賃が大きく上昇。不動産店からは供給過多による空室増を懸念する声も。
半導体受託製造の大手TSMCが工場新設を発表した2021年10月以降、従業員や関連企業の住宅ニーズが急増した結果が周辺の家賃上昇率にも表れました。シングル向きの上昇率がファミリー向きを上回ったのは、関連企業を含む従業員や工事関係者など単身者のニーズが高まったことによるものです。
TSMCは第1工場に隣接する第2工場の建設も発表しました。工場周辺エリアでは新築物件の建設が続いていますが、地元不動産店からは供給過多、中でも築20年を超える物件の空室増加を懸念する声が聞かれます。
同エリアでは商業施設のオープンが相次ぎ、2026年には九州最大規模のアーバンスポーツ施設の開業も予定されています。工場関係者以外にとっても魅力ある街になっていくのか、今後の動向を注視したいと思います。
不動産情報サービスのアットホーム株式会社(本社:東京都大田区 代表取締役社長:鶴森 康史 以下、アットホーム)は、「TSMCの熊本県進出に伴う工場周辺エリアの家賃動向」に関する調査を発表いたします。
2021年10月に台湾の半導体受託製造の大手TSMCが熊本県菊陽町に工場進出を発表して以来、同町および大津町・合志市など周辺エリアの地価が大幅に上昇しました。そこで、同エリアの賃貸マンション・アパートの家賃変化について進出発表前の2021年1~3月期と2024年1~3月期をシングル向き・ファミリー向きそれぞれの面積帯で調査しました。
なお本調査は、アットホームラボ株式会社(東京都千代田区 代表取締役社長:大武 義隆)が調査・分析しています。