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画像生成AIを活用したホームステージング画像の生成技術に関する論文を国際会議「ICCE2024」で発表

~AIホームステージング技術に関する特許出願中~

不動産情報サービスのアットホーム株式会社(本社:東京都大田区 代表取締役社長:鶴森 康史 以下、アットホーム)は、2024年1月5日~8日にラスベガスで行われた国際会議「ICCE2024(The 42nd IEEE International Conference on Consumer Electronics)」において、グループ会社であるデータ解析事業のアットホームラボ株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:大武 義隆 以下、アットホームラボ)が研究・開発した、画像生成AIを活用したホームステージング(※)画像の生成技術に関する研究論文を発表したことをお知らせいたします。本研究はアットホームラボと東京大学 大学院情報理工学系研究科 山崎 俊彦教授との共同研究です。
なお、「画像生成AIを活用したホームステージング画像の生成技術」に関しては、現在特許出願中(出願番号:特願2023-211414)です。

※ホームステージング:販売、賃貸募集中の住宅やマンションの室内を家具や照明、観葉植物などでモデルルームのように演出すること。

ICCEの様子

【「画像生成AIを活用したホームステージング画像の生成技術」に関する論文の内容について】

<1.研究の背景>

物件画像に家具等を配置し魅力的な室内をバーチャルで演出するホームステージング画像は、住まいを探す消費者に居住後のイメージを伝えることができるため、物件をアピールしたい不動産会社から近年注目を集めています。しかし、ホームステージング画像は一般的に画像編集ソフトを使い手作業で作成することが多いため、作成に時間とコストがかかり、作業者にはインテリアコーディネートに関する知識やセンスが求められていました。
一方で、近年の画像生成AIの発展により手軽に画像を生成できるようになりましたが、画像生成AIで生成したホームステージング画像には、部屋の間取りを無視した家具配置になってしまうなどいくつかの課題があります。

<2.研究の内容>

画像生成AIであるStable Diffusionに家具配置をしやすくするファインチューニングモデル(家具配置LoCon)と間取り保持をしやすくするネットワーク(間取り保持ControlNet)を組み合わせることで、部屋の間取りを保持した状態での家具配置を実現しました。また、さまざまなファインチューニングモデルを組み合わせることで、部屋スタイルに合ったホームステージングを可能にしています。

AIホームステージング比較画像

<3.今後の展望>

基本的な画像生成の3手法であるText2Image、Image2Image、Inpainting全てで部屋の間取りを保持したまま家具を配置することに成功しましたが、画像ごとに最適なパラメータが変わり、Inpaintingだとマスクを手動で作成する必要があります。そのため、今後は自動で最適なパラメータやマスクを設定するシステムの研究を進めてまいります。

【論文著者】

■服部 翔
アットホームラボ株式会社 アドバンストテクノロジー部。
前職にて、宇宙や防衛に関するシステムエンジニアとして業務に従事。
2021年アットホームラボ株式会社に入社後、画像に関するAIの研究開発を担当。
画像種別判定モデル、画像特徴抽出モデル、不適切画像検出モデル、青空変換モデルなどの画像AIを開発、改良し自社サービスで活用できるよう、研究開発に取り組んでいる。

■山崎 俊彦
東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授。
東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻修了。博士(工学)。
2011~2013年まで米国・コーネル大学Visiting Scientist。
「刺さる」「映える」「響く」などの言葉で表現される「魅力」の予測・要因解析・増強を行う魅力工学に関する研究を精力的に行っているほか、マルチメディア処理、パターン認識、画像認識・理解、機械学習、最適化などの研究を行っている。

【論文の概要】

■タイトル : Stable Diffusion for Furniture Placement with Preserved Room Layout in Home Staging
■著者 : Sho Hattori / Toshihiko Yamasaki
■形式 : Short Paper

【「画像生成AIを活用したホームステージング画像の生成技術」について】

本技術に関しては、現在特許出願中です。

■出願中特許の概要
・出願日 : 2023年12月14日
・出願番号 : 特願2023-211414
・発明の名称 : AIホームステージング

【ICCE2024とは】

IEEE Consumer Technology Society(IEEE消費者技術学会)が主催する、IEEE国際消費者電子学会議です。このカンファレンスは、CES(Consumer Electronics Show)と同時に年に1回開催され、業界・政府・学界のプロフェッショナルが集まるイベントです。
ICCE 2024のテーマは「消費者テクノロジーによる未来創造」であり、世界中から専門家が集まり、最新の消費者技術の動向や将来の方向性についてアイデアや設計、経験を共有します。このカンファレンスでは、講義やディスカッション、チュートリアル、業界フォーラム、基調講演などを通じて、包括的で高品質な技術や業界プログラムが提供されます。

■ICCE2024 : https://icce.org/2024/

【アットホームラボについて】

アットホームのグループ会社であるアットホームラボ株式会社は、不動産関連業務のさらなる効率化の支援や新しい住まい探しの提供を目指して、AIなどの先端技術や不動産ビッグデータの解析・活用により、新たなソリューションの開発・提供を行っています。
“データ&テクノロジーで、不動産に関わる全ての人のお役に立つ”という経営理念に基づき、人手不足対策や働き方改革の実現といった社会課題の解決に貢献してまいります。