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AIを活用して物件情報を解析し同一棟を判定する「集合住宅名寄せプログラム(特許出願中)」を開発~不動産業務に加え、他業種での活用も推進~

不動産情報サービスのアットホーム株式会社(本社:東京都大田区 代表取締役社長:鶴森 康史 以下、アットホーム)のグループ会社である、データ解析事業のアットホームラボ株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役:庄司 利浩 以下、アットホームラボ)は、AI を活用して複数の物件情報の登録・公開内容を総合的に解析し同一棟を判定する「集合住宅名寄せプログラム」を開発し、この技術に関する特許を出願しましたことをお知らせいたします。
物件情報において、同一の物件が複数の不動産会社から登録・公開されることが多く、建物名表記や数字表記の揺れなどにより別の建物だとみなされることがあります。従来はルールに基づき機械もしくは目視確認により棟情報の名寄せ処理を行っていましたが、AI を活用した本プログラムでは人と同程度の処理精度を実現することが可能になりました。
今後、アットホームが保有する不動産データへの本プログラム導入を予定しており、不動産会社や不動産情報を取り扱う金融機関・企業が不動産調査業務を行う際に大量の情報を正確かつ効率的に調査することができるようになるほか、「不動産情報サイト アットホーム」上で同一物件が複数並ぶ事象を防ぐことで消費者における識別性・閲覧性の向上につながります。また、不動産業界をはじめ他業界においても本プログラムの実用化に向けて取り組んでまいります。アットホームとアットホームラボは、これからも不動産に関わる全ての方の業務をサポートするソリューションを提供してまいります。

※「名寄せ」とは:不動産会社が登録・公開する物件情報において、建物名表記や数字表記の揺れなどにより別の建物と認識されたものを同一建物として整理すること。

集合住宅名寄せプログラム

【特許出願の概要】

■出願番 号 : 特願 2020-078358
■発明の名称 : 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
■内 容 : 複数の物件情報の登録内容を総合的に解析し同一棟を判定できる AI モデル

【技術概要】

物件情報において、同一の物件が複数の不動産会社から登録・公開されることが多く、登録時の建物名や住所などの表記方法が統一されていない、誤って入力されているなど、実際は同一物件であっても異なる建物として取り扱われることがあります。そこで、棟情報の名寄せ処理を行う必要がありますが、従来の名寄せはルールに基づき機械もしくは目視確認により判定していたため、精度や業務負荷に課題がありました。本プログラムでは、人の判断のパターンを AI に学習させることにより、人と同程度の処理精度を実現することが可能になりました。
※AI のモデル精度については、個別の業務要件によって異なり、完全性を保証するものではありません。

【本技術の活用】

不動産会社をはじめ、不動産情報を取り扱う金融機関・企業が保有する不動産関連データベースにおける建物の重複処理の精度向上と効率化を図ることができるソリューションとして提供してまいります。また、他業種企業とのアライアンスを広く募り、協業を積極的に行うことで、サービスの開発・提供を実現してまいります

■不動産業界における活用イメージ

・不動産関連データベース
・不動産情報流通プラットフォーム
・不動産情報ポータルサイト など

■他業界における活用イメージ

・金融業界において、融資した不動産の運用状況を取引履歴より適切か判断し、早期リスク対応や追加融資の審査に活用
・保険業界において、過去の補償実績と建物スペックを複合的に判断した商品設計の見直し
・各企業が保有する建物に付随したデータにおいて、本プログラムを活用し整備することで、棟単位の集計や分析業務の精度向上を実現
・各企業が保有するデータにおいて、アットホームの不動産データと突合し多角的に分析 など

【本技術の発表について】

2020 年 6 月 9 日~6 月 12 日に開催される 2020 年度人工知能学会全国大会において、本技術について発表いたします。
■詳細はこちら : https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2020/

アットホームとアットホームラボは、これからも全国 57,000 店以上の不動産情報ネットワークを生かした不動産データのご提供をはじめ、アットホーム加盟店および不動産に関わる全ての方の業務効率化、生産性の向上をサポートするさまざまな商品サービスの開発・提供を通して、不動産業界の活性化・IT 化に取り組んでまいります。