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不動産業界初のAI(ニューラルネットワーク)を活用した「集合住宅名寄せプログラム」特許取得および提供開始のお知らせ

不動産情報サービスのアットホーム株式会社(本社:東京都大田区 代表取締役社長:鶴森 康史 以下、アットホーム)のグループ会社である、データ解析事業のアットホームラボ株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役:庄司 利浩 以下、アットホームラボ)は、AI(ニューラルネットワーク)を活用して複数の物件情報の登録・公開内容を総合的に解析し同一棟を判定する「集合住宅名寄せプログラム」に関する特許を取得しましたことをお知らせいたします。AI(ニューラルネットワーク)を活用した住宅名寄せ※技術は、不動産業界初の特許取得です。また、アットホームラボにて、本プログラムを活用したサービスを提供いたします。

※「名寄せ」とは:不動産会社が登録・公開する物件情報において、建物名表記や数字表記の揺れなどにより別の建物と認識されたものを同一建物として整理すること。

【特許取得の背景】

物件情報において、同一の物件が複数の不動産会社から登録・公開されることが多く、建物名表記や数字表記の揺れなどにより別の建物だとみなされることがあります。従来はルールに基づき機械もしくは目視確認により棟情報の名寄せ処理を行っていましたが、AI(ニューラルネットワーク)を活用した本プログラムでは人と同程度の処理精度を 実現することが可能になりました。 ※AI のモデル精度については、個別の業務要件によって異なり、完全性を保証するものではありません。

「集合住宅名寄せプログラム」イメージ

【特許の概要】

■特許番号:第 6925665 号
■発明の名称 : 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
■内 容 : 複数の物件情報の登録内容を総合的に解析し同一棟を判定できる AI モデル

【「集合住宅名寄せプログラム」の活用】

このたび取得した特許技術を用いて、住宅の名寄せ処理業務をお手伝いするサービスです。「ATBB(不動産業務総合支援サイト)」や「不動産情報サイト アットホーム」にて活用の実績があります。他業種の方にもご利用いただけます。

■不動産業界における活用イメージ

・不動産関連データベース
・不動産情報流通プラットフォーム
・不動産情報ポータルサイト など

■他業界における活用イメージ

・金融業界において、融資した不動産の運用状況を取引履歴より適切か判断し、早期リスク対応や追加融資の審査に活用
(融資情報と不動産取引履歴を突合する際に本プログラムを活用)
・保険業界において、過去の補償実績と建物情報(構造、規模、設備等)を複合的に判断した商品設計の見直し
(補償実績と建物情報を突合する際に本プログラムを活用)
・各企業が保有する建物に付随したデータにおいて、本プログラムを活用し整備することで、棟単位の集計や分析業務の精度向上を実現

【「集合住宅名寄せプログラム」開発者のコメント】

アットホームラボ株式会社 アドバンストテクノロジー部 門 洋一 (かど よういち)

不動産情報を扱うアットホームグループでは、建物名の表記ゆれによる物件情報の重複を整理することを長年の課題にしていました。これまでは、人の目で名寄せしていましたが、このたび取得した特許技術を用いて、現在は月毎に約200万物件の名寄せ処理業務をAIが行っています。開発にあたって苦労したのは、物件情報であるがゆえの建物名の表記ゆれにAIを対応させることです。住宅の名寄せは、例えば「蒲田マンション」と「KAMATAマンション」を判定、あるいは、「日比谷ハイツA」と「日比谷ハイツB」を判定するものですが、異なっている文字数の多い前者が同一の建物、たった一文字違いの後者が異なる建物、と判定する必要があります。そこで物件情報固有の特徴に着目するニューラルネットワークを開発して、それをアットホームで人の目で名寄せされて積み上がっている全国の800万件の教師データを活用して訓練することで、高い精度での物件情報の名寄せを実現しました。

アットホームとアットホームラボは、これからも全国59,000店以上の不動産情報ネットワークを生かした不動産ビッグデータとAI技術で、不動産に関わる全ての方の業務効率化と生産性の向上をサポートし、不動産をはじめ、あらゆる業界の活性化・IT化に取り組んでまいります。